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弁護士とハッピーリタイア

法律事務所システムThemisブログをご覧いただきありがとうございます。
開発リーダーの田原と申します。

日弁連の「ハッピーリタイア発言」が、波紋を起こしています。

簡単に言うと「若手の弁護士は、早めにリタイア(ハッピーリタイア)するためにも、老後の資金を貯めてね。」と言う内容です。

弁護士は定年がないため、死ぬまで弁護士として働くことができます。

そのため、高齢化した弁護士が既存の顧客を抱え込んでおり、若手の弁護士の入る隙間がないとも言えます。

また、司法試験の改定により合格者が増えているにもかかわらず、弁護士に依頼する数は年々減っているとの統計も出ており、まさに「少ない牌を弁護士同士が取り合っている」状態です。

しかも、司法書士や税理士などと業務が重なる分野では、格安を売りにしている司法書士事務所や税理士事務所もあり、まさに戦国時代とも言えます。

その中での「ハッピーリタイア発言」は、弁護士事務所の経営状態のみならず、弁護士業界全体の状況を把握しているのかな?と思ってしまいます。

もし、死ぬまで遊んで暮らせるほどの資金があれば、「弁護士の仕事が大好き!」という人以外はハッピーリタイアをしている弁護士がほとんどでしょう。

でも、実際は若年弁護士事務所では年収がサラリーマンにも満たない貧困層が多くいますし、ベテラン弁護士でも依頼が減ったことにより困窮し、依頼人のお金を着服したりする不祥事を起こしたりと、「弁護士事務所は思ったほど儲けられない」と言った状況が透けて見えます。

「弁護士は法の番人」との言葉がありますが、弁護士事務所経営と考えれば儲けが出なければ成り立たないのも事実です。
弁護士事務所内のコストカットのために設備やシステムを整えたり、依頼効率を上げるための経営戦略も必要となってくる時代なのかもしれません。