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裁判所の近くの弁護士事務所はもう古い?

弁護士事務所の所在地を見ると、その地方の裁判所の近くに多くあることが分かります。

弁護士事務所が裁判所に近ければ、訴状を出したり、裁判所に出向く際に時短になりますので、ある意味理にかなっています。
そのため、「最高裁判所や官公庁のある東京の千代田区(霞が関)に弁護士事務所を構える」と言うのがある種の弁護士のステータスとなっていたこともあります。

現在もその考えが残っていると言えますが、今はそれが崩れつつあります。

今や弁護士はインターネットで探す時代であるため、弁護士事務所がどこにあるかは重要視せず、弁護士報酬の安さや紛争解決の手腕を重視する傾向が強くなっているからです。

大手企業や超資産家であれば、「霞が関」と言うブランドをありがたがるかもしれませんが、今はそういう時代ではなくなりつつあります。

地方でも、そういった考えは波及しており、一昔前は地方裁判所の近くに林立していた弁護士事務所は、ビジネス街や繁華街など人が集まる場所に新たに開所することが多くなっています。

地方裁判所と町の繁華街が離れている場合にはその傾向が顕著で、「より人目に触れやすく、より相談者が来やすい場所に弁護士事務所を開所する」と言うのは、若い弁護士ほど多くなっています。

不動産の賃貸相場の面からみても、昔ならば大家も「地方裁判所の近くだし、弁護士事務所で募集すればいくらでも店子はいる」と、強気の賃料設定をしていたこともありますが、今では不況も相まってわざわざ高い賃料の地方裁判所の近くに弁護士事務所を借りる利点が薄らいできています。

そのため、一時は弁護士街と有名だった一角が、まるでさびれた商店街のように「貸事務所」の入居者募集の看板が並んでいる地方都市もあります。