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出張面談のメリット・デメリット

過払い請求などはメールや電話で依頼することもありますが、弁護士と面談する際には弁護士事務所に依頼者が出向いて、というパターンが多いと思います。

離婚問題や相続問題などは、依頼者から直接事情を聴いた方が理解しやすいですし、依頼者と会うことで人柄を知ることができて、受任するかどうかの大きな判断材料となるからです。

日弁連の規定でも、「特別な場合を除いて、弁護士と依頼者は直接面談をすること」となっていますので、面談を全くしない弁護士事務所と言うのはあり得ないでしょう。

しかし、面談する場所までは規定されていないため、弁護士事務所以外で出張面談することもあり得るかと思います。

弁護士事務所以外で面談する場合には、出張費用を別途請求としている弁護士事務所が多いです。

「移動に対して交通費以外にも費用が出るからいいのではないか?」と一般の人は思いがちですが、弁護士からするとそうではないようです。

忙しいのに遠方地に出張する場合には、タイムロスの方が費用以上の損失と感じる人もいます。

また、交通事故で依頼者が入院中で弁護士事務所に出向くことが不可能であると言った場合には、弁護士が自ら病院に出張することは良いのですが、それ以外の場合には問題がないこともないです。

弁護士からすると弁護士事務所以外での面談はアウェーとも言えますので、依頼者に対して説得がしづらい場合があるからです。

特に、依頼者の自宅や会社であると、依頼者に話の主導権を握られてしまうことがあります。

これは心理学的にも証明されており、自分が知っている場所であると緊張しづらいのですが、知らない場所であると緊張したり、不安感を抱きやすいという傾向があるからです。

ですので、依頼者の自宅や会社はいわば「依頼者のテリトリー」なので、弁護士の言葉が届きにくいと言うことが起こるのです。

そのため、弁護士の中には「知人の紹介であっても、初見の人とは弁護士事務所以外では会わない」という方もいます。